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会いたい

****** 頭が痛い。  東雲は頭痛と戦いながら仕事に来ていた。 熱があるとかじゃなく泣きすぎ。 子供みたいに泣いてしまった。 「東雲、お前まだ無理しない方がいいんじゃないか?顔色が悪い」 久しぶりに会った部長に心配され、仕切り直しに顔を洗いにトイレに来た。 照哉さん………来ない。 いつもなら来ている時間。 休みとも聞いてないのに。 「東雲」 ユウヤの声に顔を上げると鏡越しに彼と目が合った。 「大丈夫か?」 ユウヤが隣に来て東雲の頭を撫でる。 「大丈夫です。すみませんユウヤさんにまで心配かけてしまって」 「え?他に誰が?」 「部長が、顔色悪いから帰っても良いとか言うので、そんな疲れた顔をしているのかな?って」 東雲はちょっと笑ってみせる。 ユウヤは手をオデコに当てる。 「微熱あるぞ東雲」 「大丈夫です。あの、今日って照哉さんは?」 「照哉?ああっ、今日は会長の仕事手伝ってるよ」 「……休み、なんですか?」 「そうなるな」 ユウヤの言葉に元気がなくなる東雲。 「よしよし」 ユウヤは東雲の頭を撫でる。 照哉さん…………、 会いたいなあ。 ****** 「なんか東雲元気ないとつまんないよねえ」 「ソウダナ」 男子トイレを覗くモモとユナ。 「あー、モモにユナさん!男子トイレなんて覗いて逆セクハラ………」 幸太はトイレを覗き、ムッとする。 「ユウヤさん!」 幸太は東雲とユウヤの間に入った。 「東雲さんに頭撫で撫でとか!もう!俺もしたいし、されたいです」 とほっぺを膨らます。 ユウヤはそんな幸太に笑ってしまった。 「撫で撫では東雲にされたいのか?」 「もちろんそうですけど、………ユウヤさんにもされたいです」 ちょっと照れながら言う。 マジかっ!  ユウヤはにやつく。 「このまま3P突入かしらね?」 「ソノ場合、東雲ガ2人に攻メラレルダロウナ」 「ユナちゃんもそう思う?だよね!東雲って、ザ受けって感じだもんね。モモが一番見たいのは会長と照哉さんにアンアン言わされる東雲~エロいだろうなあ」 モモの言葉にユナも頷く。 「モモちゃん聞こえてるから!」 トイレ内からのユウヤの声。 「あら、聞こえてた?」 モモとユナはトイレへと入った。 「わざとらしい」 幸太の嫌みに、  「幸太、撫で撫でしてあげるね~撫でられたいんでしょ」 とモモは幸太の頭を撫でる。 「やーめーろーっ」 モモの手を掴み、  「東雲さん、どうにかして下さい」 と東雲に視線を向ける。 「えっ?あっ、何?」 東雲はぼんやりしていたのか慌てたように聞き返す。 「東雲~、なーんか東雲が元気ないとつまんないんだよね。」 とモモ。 「ソウダゾ。」 ユナも同意する。 「ごめん………、仕事しなきゃなっ」 東雲はそのままフラフラとトイレを出て行った。 「かなり重症ね」 心配そうなモモ。 「恋ノ病ダナ。照哉ハ休ミカ?」 「会長の仕事の手伝いらしい」 ユナの問い掛けにユウヤは答える。 「今夜ハ?」 「会長はしばらく照哉は戻せないって」 「えっ?しばらく?照哉さん、何の仕事してるの?」 驚くモモ。 「企業秘密らしい。照哉さんハッカー出来るからさ、色々やらされてるみたい」 「でも、照哉さん、東雲さんに電話くらいしても良いのに………ズルいよ照哉さん、あんなに東雲さん元気無くす程会いたいのにさ、こんな時は放置でさ!もう、こんなんなら」 感情的な幸太。  「あら?東雲奪っちゃう?」 モモはニヤニヤしながら幸太を見る。 「前は…………今は、ほら、ねっ」 幸太はチラリとユウヤを見る。

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