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会いたい 2話
チラリと見た事でユウヤも幸太が何を言いたいかを理解し、嬉しそうな顔をする。
「ユウヤさん、個室空いてるから幸太ヤッちゃえば?」
「ココマデ、アカラサマナラ、抱イテ、ヤルベキダナ」
ニヤニヤするモモと真顔のユナ。
「2人とも何言ってんだよ」
真っ赤な顔で怒り出す幸太を後ろからギュッと抱きしめるユウヤ。
「やべえ、勃った」
「ちょ、ユウヤさんまで」
「ね、見てていい?あと、写メも」
キラキラした目でお願いするモモ。
「だめ、もったいないから見せない」
ユウヤはそう言うと、幸太の肩を抱き、トイレを出た。
「マジで個室行く気みたいだね」
ニヤニヤなモモと
「ビデオ仕掛ケタ甲斐アッタナ」
真顔なユナ。
*******
仕事に来たら会えると思っていたのに。
東雲は携帯を手にする。
電話かメールしてみようかな?
でも、仕事中だったら。
色々と考えてしまう。
*****
「ユウヤさん、ちょ、仕事場ですよ」
連れ込まれた個室。
ベッドに2人で座る。
「幸太、おいで」
ユウヤは両手を広げて幸太を呼ぶ。
幸太は恥ずかしいけれど、ユウヤに抱き付く。
ぎゅっと力が入る。ユウヤさんの匂い……。
幸太も背中に手を回す。
「幸太、俺ね。幸太が言う通り、会長がまだ好き……幸太が東雲をまだ好きみたいに。俺、幸太に謝らなきゃ」
「何をですか?」
「会長に東雲が次のセックスの相手だってハッキリ言われた時、頭が真っ白になって、凄く東雲に嫉妬して、つい…寝ていた東雲を無理やり抱こうとした。」
「えっ?」
幸太は不安そうにユウヤを見る。
「モモユナコンビに止められた………その時に幸太が頭を過ぎった、東雲抱いてたら幸太に一生嫌われるなあって……ごめん」
「東雲さんに何したんですか?」
「何ってキス…」
した。って言おうとしたら幸太にキスされた。
温かい唇が触れて、直ぐに離れた。
「ちょっとヤキモチ妬いちゃいました!東雲さんにキスしたからじゃなく、キスされた東雲さんに………」
そう言ってユウヤをじっと見つめる。
「幸太……それって?」
ユウヤは驚きつつも、嬉しそうな顔で幸太を見る。
「………好きって事です」
幸太も照れる。
「幸太」
ユウヤは嬉しくて幸太を押し倒す。
「ちょ、ユウヤさん仕事中」
慌ててユウヤをどかそうとするが体重をかけてくるから逃げられない。
「幸太~幸太~」
ユウヤは尻尾を振る犬みたいに幸太に抱きついてくる。
首筋やオデコや頬にキスをしてくるユウヤ。
やだやだ言いながらも幸太はキスを受け入れる。
「ユウヤさん気持ちいいっ」
次第に幸太も息を荒くして、ユウヤの首筋に両手を回す。
「幸太。好きだ、俺と付き合って」
囁かれる言葉に幸太は頷きながら、
「はい。よろしくお願いします」
そう言った。
「じゃあ、記念のキスね」
ユウヤは幸太の唇にキスを落とす。
甘いキス。
「すき……ユウヤさん」
キスの合間に幸太は何度も言葉にする。
「大好きユウヤさん」
首筋にキスをされながら言葉にした。
ずっと東雲が好きだったのに、気付けばユウヤで頭がいっぱいになっていた。
だから、東雲にキスしたと聞いた時、 キスされた東雲がうらやましくて妬いた。
「もっと、キスしてください」
もっと、もっと、ユウヤを感じたい。
心をユウヤでいっぱいにしたい。
*******
「しのめさん元気なかですね?」
ゴミ捨てに行く英雄氏に出会い、彼にまでも心配された。
「あの、店長、給料振り込みの事で」
シンジが英雄氏の前に出る。
「うん?どうしたの?」
笑顔を向けた、 でも、無理をしていると自分でも分かる。
なんで、 こんなに心が乱れるんだろう?
照哉さんに会えないだけで……。
そう、今すぐに照哉に会いたい。
シンジの話を聞きながらもどこか上の空。
こんなんじゃダメだ!
店長なんだから頑張らないと!
「ありがとうございます!」
話を終えたシンジがお礼を言う。
「どういたしまして。じゃあ、英雄さんも頑張ってね。あ、メケメケが俺の部屋に居着いてるから引き取りにきてね」
そう言って2人を残し、事務所に戻る。
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