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快楽 8話

幸太を抱きしめたまま体勢を変えてユウヤが上になる。 二人は角度を変えながらキスを何度も繰り返す。  ユウヤはいつ薬を飲ませようか必死で考えている。 コーラにそれとなく入れて渡そうか?それとも口うつし?  そんな事をユウヤが考えているなんて知らない幸太はキスに夢中だ。  ユウヤさんのキス、気持ちいい。  目を瞑り、音と感触だけでキスを味わう。  ユウヤの手が頭を撫でる。 気持ちいい……っ。  唇が離れてユウヤが自分を見つめている。  ユウヤさん……かっこいいなあ。 なんて思ってしまう。 「幸太………」 名前を呼んでくれる。  「ユウヤさん」 幸太はぎゅっとユウヤの首筋に抱きつくと、  「あの、今日は健太そのまま仕事行くから………その、あの、」 幸太はしどろもどろになり、恥ずかしさで頬を赤らめている。 その言葉の意味するものは、つまり………。  ユウヤももちろん察したらしく、  「幸太、誘ってんの?」 と聞いてきた。  ストレートに言葉にされると恥ずかしさは2倍になり、顔が熱い。 「あの、………そうです」 小さく言葉にした。  ユウヤは薬を使おうとした事をちょっと後悔。  「でも、ユウヤさん……………俺、初めてなので優しくして下さい」 幸太はユウヤから電話を貰った時から覚悟を決めていて、健太は何も言わずとも『俺、まんま仕事行くからしっかりやれよ』と肩をポンと叩かれた。  ユウヤもきっと、そのつもりじゃないかと考えていた幸太。  ドアを開けた時からユウヤは挙動不審で、キョロキョロしていた。  経験豊富でかっこいいユウヤも緊張しているのかと考えていたら愛しくなって自分から誘ってしまっていたのだ。  ユウヤが自分で上着を脱ぎ、シャツを脱ぎ、上半身裸になった。  ユウヤの身体は筋肉が適度につき綺麗だ。  肌も滑らかそう。  「幸太、あんま見るなよ恥ずかしい」 照れ笑いするユウヤは幼く見えて、やばいくらいに心拍数が上がってきた。 ユウヤの手が幸太の服を脱がし始め心拍数はまるで太鼓!  今、検査受けてるなら余裕で引っかかるかも!  なんて幸太は考え中。  なんせ性行為自体が初めてなのだから。  幸太も上半身裸になり、首筋にチュッとキスされた。  「あっ」 恥ずかしさと緊張で声が出る。  「幸太、すげえ緊張してる」 クスクス笑うユウヤ。  「だ、だって俺初めてだし」 耳まで真っ赤にして言う幸太を見て、やっぱり薬使わなくて良かったと思った。  「大丈夫、痛くしないし、後悔させないよ」 ユウヤは頭を撫でると微笑んだ。  その笑顔で安心したのか幸太も笑った。  ******* 風呂から上がり東雲の髪をドライヤーで乾かす照哉。  自分で出来ますというのを無理やり座らせ今に至る。  東雲と照哉はバスローブを着たまま。  照哉の着替えは在っても東雲の着替えは………、  まあ、誰かに持ってこさせても良いし、それか自分のを着せても良いし、何とかなるだろうと東雲の髪を乾かし終えた。  「着替え捜してくるから東雲はベッドな。あ、シーツ替えてないからインフルの時に使ってた部屋で待ってろ」 照哉のいう通りに部屋に行く東雲。  部屋に入った瞬間から照哉の香りに包まれた。  風呂で何故、寮に帰って来ない理由を聞いた。  会社の金を使い込みされているらしく、その証拠をパソコンを使って調べている。  表向きはそう。  つい、最近発覚して昼間はパソコン。  夜は会長の愛玩。  夜の方は流石に言えない。  部屋にはパソコンが数台ある。  東雲もある程度なら分かる。学校の授業で習ったから。 照哉さん、凄いなあ。  頭も良いし、  顔も綺麗だし、  スタイルも…………  と考えて東雲は赤面。  後ろにはまた照哉の膨張したモノが挿入した感覚が残ってて、風呂での行為を思い出した。  ベッドに転がり悶える。 ヤバいヤバいヤバい、  照哉さんとセックスしたんだよね?  再確認すると悶えずには居られない!  「東雲、ちんこ見えてんぞ?誘ってんの?」 照哉の声に我に返った東雲。

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