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子羊ちゃんの逆襲 4話

「金せびられるのに慣れてるな」 照哉は嫌みを言う。 「金持ちの周りには金目当てのクソしか集まらないからな」 「そのクソと寝たんだろ?アンタもアンタだな」 「ヤキモチか?」 ニヤリと笑う会長。 「死ね」 照哉は先を歩き出す。 後ろをトボトボ歩く東雲の横に会長は行くと、  「お前がへこむな」 頭を軽く叩いた。 でも、答えない東雲に、 「悪かったな。嫌な思いさせて」 と謝った。 謝る?  えっ?会長が?  驚いて会長を見る。 「あれで引き下がるとは思わないからな。東雲、念の為、今日は仕事行くな」 「えっ?」 「それと、今からマンションを出るから」 「ええっ?」  驚く東雲。  「あんなクソ女にバレた場所には住みたくねえからな」 会長は東雲を引っ張り歩く。  「引っ越すって新しい場所は?」 「今夜はホテルのスイートに泊まる。私物をまとめろよ」 ****** ホテルのスイートルーム。 最上階。  凄い……………、  「東雲、景色ばっか見てんなよ」 窓に張り付く東雲をくすくす笑いながら照哉は声をかける。  「でも、凄い」 振り返ると、  「おいで」 ベッドに座る照哉は両手を広げた。 照れてしまったけど、照哉の腕の中にすっぽりと入り込んだ。 照哉はギュッと強く抱きしめると2人でベッドに倒れ込む。  横向きに寝転がる2人。 照哉と近い距離に顔がある東雲は照れたように目を伏せる。  照哉は手を伸ばし東雲の頬に触れた。 それだけで彼は頬を紅潮させている。  指先で唇を撫で、 「お前、何か俺に言いたい事あんじゃねーの?」 と東雲に質問をする。  「えっ?」 驚いて大きな目をクリクリと動かす東雲。  「灯」 照哉が口にした名前にピクンとなる。  「やっぱ、気にしてたか」 ニコッと笑いかけると東雲は頷く。 「あからさまに態度変えるから分かるつーの。何?ヤキモチ?」 東雲は頷くと、ギュッと照哉に抱きついた。  「マジでヤキモチ?」 照哉は顔がニヤついてしまった。 「だって照哉さんカッコイいもん」 抱き付いている東雲は呟く。 「灯はマジ何もねーし、片思いの相手が居るし」 東雲の頭を撫でながら照哉は嬉しそうな顔をしている。 「片思いの相手いるとか……そんな話するくらい仲良しなんだ?」 ちょっと拗ねたような東雲の言葉。  照哉は体勢を変え、東雲を組み敷いた。 「ばーか、何涙目になってんだよ」 見下ろす東雲は泣きそうな顔。 「だって、俺は知らないのに会長は知ってるし、……好きな相手の話をするくらいに仲良し……んっ」 東雲の言葉が終わらない内に照哉は唇を塞ぐ。  唇はすぐに離れ、  「東雲が嫌なら灯とはもう話さないよ」  「へ?」 「だから泣くな」 照哉は頬にキスをする。 その言葉と優しさに東雲は泣き出した。  「ちが、ごめんなさっ」 「何が?」 照哉は優しく微笑んでくれて、  「照哉さんカッコイいから、いっぱい好きになる人……居るとおもっ………照哉さんをひとりじめにしたいって」 泣きじゃくり可愛い事を言う東雲。  「俺も東雲をひとりじめにしたい。」 照哉は涙を拭う。  「会長にも……本当はやだっ」 その言葉にドキッとする照哉。  まさか知って……、  「仲良くしてるのやだっ」 子供みたいな台詞を吐かれ照哉はホッとして、そして笑った。 「俺も会長が東雲触る度にグーで殴りたいと思うよ」 そう言うと、  「東雲が俺をひとりじめにしたいなら、……俺を東雲のモノしろよ」 照哉は自分の服のボタンを外し始めた。 「東雲に抱かれたい」 そう言われ、東雲は顔を真っ赤にした。  「東雲の気が済むまで俺を自由にしていいよ」 照哉は全て脱いで全裸になった。  東雲は起き上がると自分も服を抜き出し、 全裸になる。  そして照哉を押し倒し、キスをした。

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