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大胆不敵な狼氏
*****
寝返りを打ち、目を覚ました東雲。
喉渇いたなあ……。
そう思いながら目を開ける。
直ぐに目に飛び込んで来たのは照哉の寝顔。
照哉さん……可愛いな。
眠っていると本当に可愛い。
セックスの時はあんなに色っぽいのに。不思議な人。
綺麗だし……、照哉の寝顔をしばらく見つめて、ベッドから降りた。
薄暗い中、何か着る物は?と捜すが辺りには何もない。
あれ?
確かに眠る前はベッドの周りに2人分の服と下着が散乱していた。
おかしいな?
あ、もしかして、照哉さんが片づけた?
と、照哉をチラリと見る。
着るものないしなあ。
でも、水は飲みたい!
会長はもう帰ってきたかな?
ドアを少し開けて様子を伺う。
電気が薄暗いままで静かだ。
まだ、帰って来てないのかな?
東雲はそ~っと寝室から出た。
素っ裸だけど、他に誰も居ないなら良いかな?と水を求めて備え付けてある冷蔵庫まで歩く。
自分の部屋では良く素っ裸で居たりするけれど、他人が居るかも知れない場所で何も着ていないのは緊張する。
冷蔵庫からペットボトルを出して一気に飲む。
凄く喉が渇いていたみたいで息もつかずに半分以上飲んでしまった。
プハッと息を吐き、ペットボトルのフタを閉める。
ペットボトルを持ったまま、寝室へ帰ろうかときびすを返した時に何かとぶつかった。
「いっ、」
短く声が出る。
何とぶつかったが一瞬分からなかったが、
「よう、東雲、裸族だったんだな」
という含み笑いが入った声で何にぶつかったが分かった。
「か、会長、」
東雲がぶつかったモノは会長。
裸を見られたという意識が一気に頭部に集中し、熱くなる。
電気がついていたら、東雲の真っ赤な顔を見れただろう。
「大胆だな」
クスクス笑う会長。
に、逃げなければ!
裸だし、何よりも会長に見られた恥ずかしさで東雲は死ねると思った。
「今、動いたら全部見えるぞ。俺はまだお前のケツしか見てねえからな」
東雲と会長は向き合った形で居て、確かに今の状態なら頭辺りしか見えていないだろう。
ど、どうしよう。
どう切り抜けようか東雲は考える。
考えている内に東雲はスッポリと会長の腕の中に捕えられた。
「か、会長!」
驚いて顔を上げると間近に会長の顔がある。
「お前、もう少し体重増やせ」
ニヤリと笑う。会長。
へっ?と首を傾げる東雲の腰に会長の手が回った。
「か、会長!」
逃げるように身体をよじらせる。
会長の手はそれを許さない。
ガシッと抱き込まれ逃げれなくなった。
「俺の前で裸でいるんだから喰われても文句ないよな!」
「や、」
東雲は抵抗するように身体をよじらせるが、もちろん、無駄な抵抗。
会長の手は滑るように東雲の背中を這っていく。
「会長、やだ!」
「声を上げるなよ、照哉がおきるぞ?まあ、見られながらが好きなら良いけどな」
照哉の名前を出され、ビクッとなる東雲。
「イイ子だな」
会長は口角だけを上げ、会長は笑う。
背中の手は生き物のように這い回り、東雲の尻へと、伸びてきた。
‥‥‥‥‥!!!
「や、やだ」
怖くなり身体も、声も震える。
指が割れめを撫でるように滑ると、後孔へ侵入してきた。
照哉とは違う指の太さと、動き。
嫌がる東雲に反して、侵入して来た指は中へ中へと入ってきた。
逃げなきゃ、
逃げなきゃダメなのに!
身体が‥‥‥‥
身体が凄く熱い。
熱を放つ身体がいう事をきかない。
それどころか、次第に快楽へと変わってきている事に東雲は気付いていない。
指が付け根まで挿ってしまい、中をゆっくりと掻き回してきた。
「んっ、‥‥」
出したくもない声がでて、自分でも驚く。
「いい声だ。」
ニヤリと笑う会長。
東雲の中は温かい。そして、指にねっとりと絡み付いてくる。
彼の中には自分の、指だけではない。照哉が出した精液があった。
「照哉は中出し好きなんだな、ゴムしろよ。」
ふふっ、と、笑いながらに東雲の耳元で囁く。
ゆっくりと東雲を快楽で支配していく。
「んっ、んんっ、」
中で指が動く度に東雲は艶っぽい声を出し、会長にいつの間にかしがみついていた。
「水は美味かったか?」
「み‥‥‥‥ず?‥‥‥んっ」
東雲は会長の胸に顔を埋める。
そう、媚薬を仕込んだ水。
どちらが飲んでも自分が得をするのだ。
指を2本に増やし、照哉が出した精液を掻き出す。
くちゅくちゅ、と卑わいな音が会長の耳に届く。
「あんっ‥‥‥あっ、」
激しく掻き回され東雲は喘ぎ声をだし、身体を痙攣させた。
ガクガクと震える身体。
「もっと、気持良くなりたいだろ?」
耳元で囁く声に東雲は頷く。
「良い子だ」
会長は東雲を抱き上げると、ベッドへと連れて行く。
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