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大胆不敵な狼氏 6話
ヌルヌルとした物体が狂う程の快楽をもたらす。
「うっ、………あっ……」
照哉は何故か必死に耐える。
よがったら負けなような気がして歯を食いしばる。
くそっ……なんでさっさとやんねーんだよ!
照哉は足がガクガクと震えるのを感じた。
これ以上はダメだ。
唇を噛み締めた瞬間、口に指を突っ込まれた。
「くそガキ、何してんだ唇切れてるぞ」
いつの間にか会長は舐めるのを止めて、背後に立っていた。
前を向かせられ、切れた唇を舐められた。
ピリっと刺激がくる。
「血の味は嫌いじゃないが自分で自分を傷つけるのは嫌いなんだよ」
照哉の切れた唇を指で撫でる。
「うっせえな、血が出ようと構わず俺を犯した奴にんな事言われたくねえ!」
プイと横を向く。
「なんか萎えたな」
会長は浴槽を出る。
「な、なんだよ。やんねえのかよ?」
激しくヤラれるかと覚悟していたのに拍子ぬけ。
「何だよ、やりてえのか?」
ニヤリッと笑う会長。
「はあ?バカじゃねーの?」
照哉もバスタブを出ると浴室のドアを開けた。
袋を手にすると、身体がフワリと浮いた。
会長に抱き上げられたのだ。
「なにして、」
「気が変わった……お前、して欲しそうだからな」
そう言うと会長は抱き上げたまま寝室へと照哉を連れて行く。
「誰がして欲しいとか思うかよ!」
照哉の悪態さえも最高の興奮剤。
会長は照哉をベッドへ降ろし、顎を指で上げた。
「キスしろとか言うなよしねーから!」
気の強い瞳で睨まれる。
「して欲しいのか?」
会長は指先で唇を撫でる。
「あー、もう!言葉通じねえ!」
顔を振って手から逃れようとするが、押えられた。
キスをしてくるのかと覚悟すればじーっと唇を見つめているだけ。
そして、立ち上がるとゴソゴソと何かを探している。
今のうちに逃げられるのだが会長の行動は知りつくしている照哉。
逃げれば東雲が寝ている横で無理やり抱かれるだけ。
どこにいてもやられるのだ。
「顔あげろ」
そう言われ会長の方を見ると、
「いたっ、」
唇に少し刺激がきた。
思わず顔を背けるが、
「動くな」
と真っ直ぐに顔を向けられた。
何をしているのかと思えばさっき噛んだ唇に消毒液を塗っているのだ。
結構しみる。
「お前は顔だけはいいからな」
ニヤリと笑う会長。
「そりゃどうも!」
棒読みな口調でお礼を言う。
「あと、セックスもいい。俺が留守の間は東雲とはさせてやるけどケツには俺以外のはいれんなよ」
「はあ?何様?」
まるで浮気を心配する恋人気取り。
「会長様だよ。お前は俺のだ……お前に手を出すヤツは殺す」
会長はそう言うと照哉の頭を撫でる。
さわんな!と言わんばかりに手を払いのける照哉。
「さて、少し休むかな」
会長は照哉の身体を引き寄せシーツの中に連れ込む。
まるで抱きまくらみたいに抱きしめられている。
「はーなーせー!」
暴れても知らぬ顔で照哉を抱きしめる。
「なんでお前と寝なきゃいけねーんだよ!」
「ああ、うるせえガキだな?セックスをしたかったのか?」
「死ねジジイ!」
「黙って寝ろ!じゃなきゃ東雲を目の前で犯す……お前を縛って3Pもいいな」
「マジ殺すからな」
低い声で威嚇する照哉。
「嫌なら黙って寝ろ!」
会長はぎゅーと力を込めた。
「あー、くそ、連れていきてえなお前も……向こうで四六時中犯すのになあ」
耳元でそんな事を言われ、
「一生帰ってくんなよ!」
そう返して、そのまま目を閉じた。
逃れられないし、東雲を本気でやりそうで照哉は黙って言う事を聞く事にした。
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