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大胆不敵な狼氏 7話
反抗的な愛玩。
熟睡している照哉の髪を撫でる。
寝顔はまだ幼くて、初めて会った頃の彼を思い出させた。
クソ生意気なガキでそのくせに色気があり、無理やり抱いた時、睨みつけてきた瞳が最高だった。
「なんでお前、こっちに出てきたんだ?」
答もしない照哉の髪を撫でながら話し掛ける。
「俺に復讐とか考えてんのか?」
クスクス笑う会長。
まあ、それもいい。
「しばらく……って言ってもほんの数日だけどな。お前や東雲を抱けないのは辛いな」
会長は照哉の髪にキスをすると、ベッドから起き上がる。
服を手に寝室をでた。
そして、東雲が眠る部屋のドアを開ける。
眠っている東雲に近付き、シーツをはがす。
さっき抱いた身体がそこにある。
「起きろ」
身体を揺さぶると、薄く目を開ける東雲。
ぼんやりとした視界。
誰かが呼んでいるような気がして目を開けた。
そして、触れてくる温かい何か。
唇に押しつけられたものからヌルリとしたモノが口内に入ってきた。
くちゅ、
耳に聞こえてくる粘着質な音と絡んでくるヌルヌルしたモノが舌だと分るまで数秒かかった。
「んん、」
キスされているとようやく気付き、東雲はきすしてきた相手を退かそうと手で必死に抵抗する。
でも、アッサリと押さえつけられた。
「ん、やっ、」
頭を振って抵抗すると、唇が離れた。
「おはよう東雲」
ニヤリと笑って自分を見下ろす会長がいた。
キスしてきたのは照哉ではないとわかっていた。
照哉ではないなら……この部屋には会長しかいない。
だから、必死に抵抗した。
「かいちょう……」
「朝からするか?セックス?」
ニヤリと笑う。
首を振る東雲。
もちろんするわけがない。
「夕べの事を覚えているか?」
そう言われ……脳裏に裸でいた時に会長にイタズラされた事が過ぎる。
あれから……どうしたっけ?
どれくらい時間経った?
照哉さんは?
「ケツいじられた事は覚えているか?」
その言葉に顔が赤くなったのでそこまでは記憶があるのだと会長は思った。
でも、セックスの記憶はないだろう。
照哉と勘違いし、乱れまくっていた。
「照哉には黙っててやるよ、ケツいじられて俺にいかされて気を失った事は」
「なっ、」
そんな事……気を失った?
「セックスしたか聞きたいか?」
ビクっと身体が震えた。
気を失ったなら……もしかして、俺……
「何動揺してんだよ?可愛いな」
フフッと笑う会長。
「……し、たんですか?」
震える声で聞く東雲。
「………俺にキスしたら教えてやるよ」
東雲は固まる。
ガチガチに固まって……したのかも知れない罪悪感に囚われているのか言葉を発しない。
「じゃあ、俺からしてやる」
会長の顔が近付いてきて、思わず顔を背ける。
「逃げんなよコラ」
片手で東雲の両手を頭の上で拘束し、もう片方の手で顎を掴む。
「してねーよ!俺は意識ない奴抱くの嫌いなんだよ、ヨガってもらわないと興奮しねーし、東雲を鳴かせたいしな」
していない。その言葉に東雲は少しホッとした。
今はホッとしたけど、この先は分からない。
ベッドの上で組み敷かれているのだから。
「お前、今から抱かれるんじゃないかって思ってるだろ?」
心を読まれ、目をそらす。
「そのリクエストに応えてやろうか?意識あるし、いい声で鳴きそうだし」
そう言って会長は東雲の首筋に舌を這わす。
「やっ、いやだ!」
途端にバタバタと暴れ出す。
やっぱ、こうじゃねーとな。
会長は構わずに首筋を舐めながら、東雲の乳首を指先で刺激始める。
コリコリと指先で刺激され東雲は更に抵抗する。
「や、いや、照哉さん」
思わず出た名前。
「なんだ、照哉と3Pしたいのか?」
ニヤニヤ笑いながら東雲を見つめる。
「ち、ちがう」
「じゃあ、見られながらセックスするの好きなのか?」
その質問にも東雲は首を振る。
当たり前だ。
「助けて貰いたいのか?だったら残念だな。照哉なら薬で眠っている」
「えっ?」
何を言っているんだろうと思わず会長を見る東雲。
大きな瞳は彼を思い出させる。
「ゆき……」
小さく名前を呼ぶ。
いま、ゆきって言った?
東雲は何か思い出しそうだった。
ゆき………
むかし、随分と昔……父親が誰かにそう呼ばれていた。
誰だっけ?
そうボンヤリと考えていたら、乳首を弄っていた指先が下へと這って行った事に気付かなくて、グイッと指先を捩じ込まれてようやく気付いた。
「あっ、やっ、」
逃げるように身体を反らそうとするが生き物のような指は奥へ、奥へ、と侵入してくる。
「や、やめ、やめてください!」
身体中で抵抗をする東雲。
でも、体重をかけられ両手は拘束されている。
どうして、こんなに非力なのだろう。
逃げれるはずなのに。
でも、身体の奥深くで抵抗を緩めるように指示しているかのように力がだせないのだ。
「ぬいて、いや、」
「馬鹿、ほぐさないとお前が辛いぞ?今からでかいのが挿れられるんだから」
その言葉で頭まで熱くなる。
いや、
いやだ!
照哉さん!
心で助けを求めているのに…
何故だろう、本気で助けを呼んでいないような感覚。
「脚を開けよ、ほら、気持ち良くしてやるから……」
耳元で囁かれた。
気持ち良くしてやるから………
この声と言葉………どこかで聞いた。
どこだっけ?
どこ?
ズンっと奥に衝撃がきた。
ビリビリと身体に軽い電流が走る。
「あああっ」
我慢出来ず声が出た。
「ここ、気持ちいいんだろ?」
指先がまた、電流を作る場所をグリッと刺激してきた。
「やあっ……んんっ、あっ、」
頭を振って、快楽を飛ばすのに必死だった。
でも、快楽はそれくらいじゃ消えてくれない。
「ぬいて……おね、がい」
潤んだ瞳で会長に訴える。
「誘ってんだろ?ソレ?なあ、ゆき……お前って、ほんと……」
会長はそう言うと東雲を貪るように熱いキスを何度も落とす。
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