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大胆不敵な狼氏 9話
「ん……何も……照哉さんに甘えたいだけ」
擦り寄る東雲が可愛い。
キュンと胸が鳴る。
「照哉さん………ここ、さわって」
東雲は照哉の手を自分の後ろへと持っていく。
そこは会長に弄られた場所。
照哉意外に触られた罪悪感が東雲を責める。
大胆な東雲に驚く照哉。
こんなにハッキリとおねだりなんてした事ないのに。
「やっぱ、なんかあった?」
東雲は首を振ると、
「照哉さんを感じたいだけ」
そう言って身体の体勢をかえ、照哉と向かい合わせになる。
そして、照哉の頬に手をあてると、ゆっくりと唇を重ねてきた。
軽く唇を噛むような仕草の後、舌先で照哉の唇を縁取る。
目を伏せてゆっくりと顔を傾ける東雲は凄く色気があって、照哉もその誘いに思わず乗ってしまう。
舌先を照哉もチョロリと出して、くっつけあったり、互いの唇を舐めあったり、
そして、深いキスへと突入する。
くちゅ、くちゅり、互いに絡める舌がいやらしい音を出す。
キスだけで興奮したように東雲の息は荒い。
もちろん、照哉もだ。
こんなエロい東雲もいい。
東雲は積極的だった。
ディープキスの後は照哉の耳や首筋を舐めたり、吸い付いたりを繰り返す。
「あっ……あか……つき」
東雲の名前を呼ぶ。
エッチの時だけ下の名前で呼んでしまう。
照哉が感じているのは自分の下の彼のジュニアが勃起しているから分かる。
照哉さん………綺麗だな。
自分の愛撫に感じながら目を閉じている照哉が凄く綺麗で妖艶だ。
男の人も色気ってあるんだ。
会長もだけど。
会長をされた事をつい、思い出してまた罪悪感が攻めてくる。
感じてしまった。
いかされてしまった。
照哉にしか反応しないと思っていたのに。
なんて淫らなんだと自分でも思う。
男を知ったの最近なのに。
東雲は浮かした腰をゆっくり下ろす。
下ろした場所には大きく膨張した照哉のイチモツがあって、キスを繰り返しながら自分の指を宛てがえ挿れていく。
「ふっ……あっ、」
照哉が甘い吐息を漏らす。
懺悔のつもりではない。……ただ、照哉を感じたいと思ったから。
腰を降ろしていく度に中へ中へとイチモツが侵入してくる。
「んっ……」
東雲も吐息をもらす。
ゆっくりと照哉の形や大きさを感じていたい。
全て挿ると、前後に身体を動かす。
「あっ、」
ビクンと照哉が反応してくれて、なんだか嬉しかった。
◆◆◆◆◆
大胆な東雲に戸惑いながらも感じる照哉。
東雲のキスは甘い。
会長とは違う。
甘くて、甘くて……それだけでイッてしまうような感覚。
東雲の身体が動く度に湯船の中のお湯がユラユラ動き、波紋が広がる。
もっと、東雲が欲しい!
照哉は東雲の身体を抱きしめ、激しく自分も身体を動かした。
「あっ、照哉………さっ、」
東雲が耐えきれなくなって声を出し始めて、その声をかき消すように身体を動かし、互いに求めあった。
◆◆◆◆◆
風呂からあがって、互いにドライヤーで髪を乾かし合う。
「東雲は素っ裸で居て欲しいかも」
冗談混じりにそんな事を言う照哉も、裸体が綺麗でそのままで居て欲しいかも!なんて思う東雲。
「照哉さんも着ないなら」
「えっ?マジ?んな事言うとマジで着ないぞ?」
会長が置いて行った服が入った袋を近くのソファーにポンと投げる照哉。
「もしかして、また会長が服を?」
袋を見つめて照哉に聞く。
「そ、変態オヤジは自分が買い与えた服以外はゴミ箱行きみたいだな」
照哉は捨てられた服を気に入ってたのにとブツブツ文句を言っている。
「俺も……照哉さんには自分が選んだ服を着て欲しいかも」
「へ?」
「だって、照哉さんカッコイイからさ」
ニコッと照れたように微笑む東雲。
その顔が可愛くて、
「やばい、ムラムラくる」
と東雲を抱き寄せる。
「飽きるまでエッチしようか?どうせ、仕事には行けないし」
照哉はヒョイと東雲を抱き上げた。
「うん………したい。照哉さんをいっぱい感じたい」
東雲は照哉の首筋に抱き着く。
照哉に抱かれて、会長にされた事を上書きして欲しいと思った。
あんなに………乱れた自分を忘れたい。
そして、何かを思い出しそうな気持ちをスッキリさせたかった。
会長を見ていると亡くなった父親を思い出して、切なくなる。その気持ちも消したかった。
寝室へ連れて行って貰って、ベッドへ降ろさせると、そのまま組み敷かれ照哉から愛撫を受ける東雲。
そして、愛撫を受けながら思うは自分の父親も男に抱かれていた事。
でも、不思議と嫌悪感はない。
自分も男性である照哉を愛しているから。
事情があって別れたのかな?
なんて、考えながら照哉に抱かれていた。
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