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程なく着信したメールを読み、璃音は微かに眉を顰めた。
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送信元:母さん
件名:至急確認頼む
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瑠維が電話に出ない。
こちらのケダモノは、忙しさの
余りに禁断症状にも気付いてない
ぞ。
多分、例の件で忍も駆けずり回
ってんだろ?
そっちも似たような状態だとし
たら、瑠維はもっと酷い状況だと
思う。
私も早めに合流するから、お前
、一足先に行っててくれるか?
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「………」
視線を携帯から少しずらす。
目まぐるしくパソコンを操作する男、弓削忍は多忙を極めていた。
何一つ焦燥など見せないように振る舞っていても、幾世代にも渡る血族結婚の末に生まれた璃音には分かる。
弓削は、一ヶ月以上瑠維と肌を合わせていないストレスから、重度の禁断症状に陥っていると…。
『状況は決して良くない、よねぇ…』
携帯を操作し、璃音は直ぐさま母に返信した。
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