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受けとった包みを開ける。
「……………?」
微かな違和感。
口に運んだ食べ物は、確かに瑠維の味だ。
「……………………?」
何故だろう。
瑠維が作った筈の弁当なのに、胸に広がる違和感と虚無。
いつもなら、一口食べただけで気持ちが沸き立つ筈なのに…。
食べ終えて、鞄に入れられていた着替えを羽織る。
「…………………?」
おかしい。
糊付けの仕方は瑠維のやり方だ。
なのに、違和感が拭い去れない。
「…………………?」
丁寧に当てられたアイロンも、パリッと効いた糊付けもいつもと同じなのに。
羽織った時に感じる安心感がない。
何故なのだろう。
本社ビルの忍と医局の玲。
二人ともが感じた違和感は、禁断症状のせいなのか。
それとも、違うものなのか…。
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