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ビウッ!!
空気が震撼した。
「はっ!!」
繰り出された蹴りは、軌跡が見えない。
体に当たる前にいなすのが精一杯だ。
「遅いよ」
ドッ!!
「がはっ!!」
ガードに出した手が払われ、拳が鳩尾へとモロに入った。
よろけた弓削の首筋に手刀が下ろされる。
ビウッ!!
空気が唸る。
「…く……っ!!」
なんとか避けたが、風圧で皮膚に薄い切り傷が出来た。
『こ、殺す気か…っ!?』
いつもの手合わせと全く違う攻めは、手加減など一切見受けられない。
背筋に走る戦慄を押さえ込み、弓削は次々と高速で繰り出される拳と蹴りを避け続けた。
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