49 / 181
解けた鎖
……………ツクリ。
頭の芯が。
ズクリ。
胸の奥が。
痛む………。
体と精神に絡み付いた黒い鎖が落ちて、隠れていた痛みが苛んでくる。
無理矢理捩込み、押さえ込んでいたものが増幅したように。
闇に閉ざされた視界を、不意に光が照らし出す。
………甘やかな香りを伴って。
欲しかった。
何にも替え難い存在で。
意地っ張りの強がりで…。
本当は、心に深い深い傷を負ったことで、怖がりの淋しがり屋の。
誰にも渡したくない存在…。
『瑠維………』
ともだちにシェアしよう!