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「どうなの?  ワタシが言ったのは間違ってるかしら」  したり顔の猫が瑠維の肩に飛び乗る。 「瑠維、アナタは自分に自信がないかもしれない。  だけど、沢山の場所で役に立っているし、玲や忍の給料にも貢献してるのよ。  いい?  必要以上に自分を低く見るのはやめなさい。  解ったワね?」 「…………でも…」 「でもじゃないの。  食べただけで食材や調味料を特定したり、味を忠実に再現できるなんて、普通の料理人には出来ない事よ。  一般のレストランのメニューだけじゃなく、内臓疾患の患者や重度のアレルギーの人間向けのメニューも完璧にこなしてるのに、それを取り柄だと思わないなんて、やっぱりそれは間違ってるワよ。  自信を持ちなさい」  ニヤリと笑い、猫は床に飛び降りた。 「みあの言う通りだよ、瑠維。  後でアレルギーに悩んでた女の子からのお手紙を持って来るよ。  どれだけ喜ばれてるのか、自分で解らなきゃ…、ね?」 「璃音…」  半信半疑の瑠維は、全員の顔を見回した。

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