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「と、いう事は…」
「そ。
洗濯物もすり替えてたの。
瑠維の気配がしないから、二人とも焦れ焦れしたんじゃない?」
瑠維の為とは言え、隅々まで気を遣っての細工をするとは…。
悪戯っぽい笑みを浮かべる璃音と荊櫻に、弓削も玲もただただ呆れ返るばかりだ。
「中途半端な重度の禁断症状より、完全に限界突破させて命の危機に落とす。
その方が引き戻しが楽だからな。
瑠維の作った食事を断たれ、瑠維の香りがしない洗濯物を届けられて、感覚が狂いまくっただろ」
「酷えな、どれだけ徹底しやがんだ」
「全くですよ。
頭がおかしくなるかと思ったんですから」
「それを狙ってたんだから、徹底するのが当たり前でしょ?
僕と母さんが組めば最強なんだから」
「確かに」
晶が笑い出し、攣られて全員が笑い出す。
久しぶりの柔らかな空気。
弓削にも、玲にも。
そして、瑠維にとってもだった。
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