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穏やかなひと時の後、弟妹をそれぞれチャイルドシートやジュニアシートに座らせてから、璃音は瑠維の傍に来て囁いた。
「瑠維。
前にも言ったけど、愛される事に全部受け身になってちゃ駄目だよ。
愛したい時は全力でぶつかってく。
愛されたい時は気持ちをはっきり言う。
思ってる事を伝えなきゃ。
あの二人は自分の考えが先に立つから、ついつい色んなことが置き去りになっちゃう。
今回はいい薬になったと思うから、うまくやってね」
「璃音…」
「心も体も深く結びつけてって。
それから…。
美味しいご飯で、二人の胃袋も握って。
僕が沢山傷つけてしまった分、瑠維の心の領域はとても広い。
あの二人をありったけの想いで愛してって。
弓削さんと玲が注いでくる以上の愛情を、瑠維がこれから注いで行くんだ。
それだけの深い絆が、ちゃんと出来上がってるんだからね?」
「……………ん」
「自信もって。
瑠維にしか出来ない事だよ。
あっ、向こう三日間家庭の事情でお休みしますってレストランに連絡しといたからね。あの二人も強制的に休暇にしてあるから。
ちゃんとがっついて貰ってね」
軽く瑠維の頬を掠めていった頬。
その感触は、もう心を沸き立たせはしないけれど、胸の奥に温かい炎を点してくれる。
遠い過去の幼かった恋が、漸く終わったような気がした。
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