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何となく落ち着かないまま時間が経過し、就寝する時間になった。
お互いに暗黙の了解で適当な順番で風呂に入るのが常だが、何と無く瑠維が立ち上がり、二人は一瞬息を飲む。
「…………………っ」
耳まで真っ赤に染まった瑠維が俯き加減に視線を移す。
「……準備してく……からさ…。
…先……入って…て……」
どんなに肌を重ねても、前準備無しで抱かれるのは抵抗がある。
ましてや一ヶ月以上もしてないのだから、しっかり綺麗にした体で抱かれたい。
そう思ったのだ。
「ああ」
「待ってる」
額や瞼に軽いキスを受け、ふるりと身を震わせた後、自室へと足を向けた。
部屋に備え付けられたシャワールームに入り、バクつく心臓を抑えて準備をする。
普段使っているバスルームでは、恥ずかしくて準備が出来る訳がない。
「畜生………、恥ずかしいじゃね…っかよ…」
抱かれる準備をする度、どうにも恥ずかしくなる。
一応、部屋のドアには鍵をかけてあるのに、なんだか二人に気配が伝わっているような気がしてならない。
どうしても羞恥心が先に立ってしまうのだ。
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