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パタパタと、瑠維の足音がする。
近付くにつれて、甘い花の香りが鼻を擽る。
璃音の媚香も晶の蘭奢待も凌駕する、花の様なフルーツの様な甘い香り。
体を疼かせ、頭の芯を蕩けさせる瑠維の肌の…。
「「………………………っ」」
なんて。
なんて甘いのだろう。
しかも。
犯罪的な迄に蠱惑的な香り…。
まるで猫を酔わせる木天蓼のようだ…。
「……うわっ!!
なっ、何、何っ!?」
てっきりバスルームにいると思い込んでいた二人が脱衣所にいた。
いつもと違う艶めいた二対のケモノの瞳。
それだけで肌がざわつき、体の芯に炎が絡みついてくる。
ズクリ。
「ん…………っ」
意志を持って絡み付いてきた二人の視線と香りが、疼いたの体の力を奪っていく。
「……ん……………ふぅ…う…。っ」
カクリと力を失った足が崩折れ、床にへたりこむ瑠維。
そのまま上半身が床にずれ落ち、意識がほわほわと霞んでいく。
変…。
俺…、凄く変だ……………。
潤む瞳を二人に向けると、ユラリと歩いてくるのが見えた。
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