78 / 181
・
真摯な言葉は瑠維の心を射抜いた。
「…ホントに?
俺、ずっとあんた達の傍にいていいの?」
「当たり前だろ。
俺達には瑠維しか要らないんだ」
「意地っ張りで泣き虫の瑠維がいないと、俺達は生きていけない」
ほろほろと零れる涙を、二人は唇で吸い取っていく。
「愛してるぜ、瑠維」
「愛してるぞ、瑠維」
嘘偽りのない言葉。
瑠維を決して欺かない、真摯な想い。
「俺、ダメな奴なんだぞ…っ。
あんた達のどっちもいないとダメなんだ…っ。
欲張りなだけで、あんた達を振り回してるだけかも知れないのに…っ」
ボロボロ零れる涙が、更に大粒になる。
「いいんだよ。
俺達みたいなとんでもないケダモノで捻くれた男には、欲張りな位がちょうどいい。
憎からず想ってる相手に振り回されるのも嬉しいしな。
だろ?忍」
「ああ。
俺達みたいなケダモノは、本当に質が悪い。
そんな奴を二人も受け入れてくれる心の広い人間は、この世で瑠維しかいない。
今更離れられたら、それこそ俺達は死ぬしかないな」
だから離れて行くなと、口づけが落とされた。
ともだちにシェアしよう!