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 真摯な言葉は瑠維の心を射抜いた。 「…ホントに?  俺、ずっとあんた達の傍にいていいの?」 「当たり前だろ。  俺達には瑠維しか要らないんだ」 「意地っ張りで泣き虫の瑠維がいないと、俺達は生きていけない」  ほろほろと零れる涙を、二人は唇で吸い取っていく。 「愛してるぜ、瑠維」 「愛してるぞ、瑠維」  嘘偽りのない言葉。  瑠維を決して欺かない、真摯な想い。 「俺、ダメな奴なんだぞ…っ。  あんた達のどっちもいないとダメなんだ…っ。  欲張りなだけで、あんた達を振り回してるだけかも知れないのに…っ」  ボロボロ零れる涙が、更に大粒になる。 「いいんだよ。  俺達みたいなとんでもないケダモノで捻くれた男には、欲張りな位がちょうどいい。  憎からず想ってる相手に振り回されるのも嬉しいしな。  だろ?忍」 「ああ。  俺達みたいなケダモノは、本当に質が悪い。  そんな奴を二人も受け入れてくれる心の広い人間は、この世で瑠維しかいない。  今更離れられたら、それこそ俺達は死ぬしかないな」  だから離れて行くなと、口づけが落とされた。

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