107 / 181
・
「なぁ、さっきさ、どんな料理をメモってたんだ?」
風呂上がりの玲が、ベッドに腰掛けながら聞いてきた。
「ふふ…、内緒に決まってんじゃん」
上機嫌の瑠維は悪戯っぽい笑みで返す。
「な…」
「だってさ、玲と忍に食わせたい飯なんだぞ。
レシピを話したら、楽しみが半減しちゃうって」
「……………ん、まぁ、そうかも知れねえけどよ…、瑠維が上機嫌って事は、かなり手が込んでる料理なんだろ?
せめて、何を使うのか位…」
「そりゃ、玲と忍が好きなもんに決まってるし。
まだ、頭の中でシミュレーションしてるだけなんだ。
だから、実際に作って試食しなきゃ出せないって」
だから、待ってて欲しいと暗に臭わす瑠維に、玲は仕方ないなと肩を竦める。
「じゃ、約束。
試作品だとしても、他の奴に食わせんな。
ならいい」
「ん…」
少々拗ね気味の玲に、瑠維は頷いてみせた。
ともだちにシェアしよう!