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ちゃんと約束をしたからと、満足げに細められた目。
キュッと両端が上がり、ぷっくりとした唇。
一昨日の夜に心ゆくまで愛でたというのに、飢餓を訴える心と体。
空いた手を伸ばし、二人は柔らかな髪の中へ指を滑らす。
ツツ………ッ。
「ん……………………っ、はぅ……」
地肌を掠めた指に、背中がゾクリとする。
ゆっくり瑠璃の中の官能を引きずり出す感触は、あくまでも優しく羽のよう。
「んっ、や………っ」
鼻にかかった声は、甘い吐息を伴う。
身を竦ませ顎を反らすと、漸く噛み付くようなキスを落とされた。
チュ。
はくん。
「ん………っふ…」
上唇がハミハミと唇で噛まれる。
玲の口づけは、いつもケダモノみたいだ。
顎を掴まれ顔が反らされる。
チュッ。
はくん。
「んん………っ」
今度は下唇をやわやわと唇で噛まれた。
忍の口づけは、どこまでも甘い。
何度も繰り返される口づけに、頭がボウッとしてくる。
無意識に胸元へ持って行った両手が、二人と指切りしたままだということも忘れ、瑠維は甘い口づけに酔った。
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