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『…っ、ダメだ……、こんな…の……されたら、頭のなか……とける……』  魂まで魅入るような口づけに、瑠維は何度も呼吸を詰まらせる。  芯が疼き、ヒクつく体。  リップ音の度に、眠る燠火がゆるりと目を覚ます。  ひとつ。  またひとつ、と…。  チュ…。 「ひう…………、ぅあ……ん」  チュッ。 「は……ぁ…………………っ」  背中を弓なりにして、胸元に引き寄せられた両手をキュウッと握る。 「お前、反則だろ。  指切りしたまんまで啼くなんて、可愛すぎるっつの」  チュッ。 「あ………っふ……」 「そんな可愛すぎる瑠維がいいんじゃないか。  キュッと握った手も、瑠維らしい」  チュ。 「んんん…っ、あ…っ」  啄む度にきつく吸い、所有印を更に濃くしていく。  首筋も胸元も淡かった印が紅になり、まるで薔薇の花びらを撒き散らしたようだ。  敏感な耳たぶも漏れなく啄んで、二人の歯形がつけられている。

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