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「瑠維、辛いか?」
耳元で囁かれて、ビクリと体が跳ねた。
辛いのではなく、玲の声と吐息が耳に当たったからだ。
「んん…、つらくない…、だいじょ…ぶ…」
はぐはぐと喘ぎながらも答えたが、腕に力が入らなくなっている。
「瑠維、指を外せるか?
ちょっと忘れ物をして来たんだ」
「………………ん」
寂しそうな顔で絡めていた小指を離し、玲の背中に両腕を回す。
「直ぐに戻るから、いい子にしてるんだ。
いいな?」
「………うん……」
ほんのり染まった顔を玲の胸元へ寄せてしがみつく。
忍が歩いていくのを見ながら、玲は片腕で瑠維を抱き上げ、空いた手を使ってベッドカバーや毛布等を足元へ寄せ、大判のバスタオルを敷く。
「ほら、降ろすぜ」
「ん………」
大人しくベッドの真ん中に横たわり、玲のキスを受け入れた。
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