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 ギュ。 「んをっ!?」 「んんっ!?」  しなやかな指が、玲と忍の鼻を摘んだ。 「「る、瑠維…?」」 「なぁ、困ってんならさ、俺に言ってくれたらいいだろ?  言ったじゃん。  二人の役に立ちたいんだって。  俺の作ったメシであんた達が喜ぶのが、俺にとっての幸せなんだからさ」 「でも、瑠維が主役なんだぞ?  なのに…」 「俺達は、一番瑠維が幸せな時間にしたいんだぜ?」  言い募る二人に、瑠維はフワリと笑う。 「俺さ、あんた達の親兄弟に、俺が作った料理を食べて安心して貰いたい。  この先ずっと、玲と忍の食事は全部俺が作るんだ。  どんなものを食べてくか、俺の気持ちがどれだけ二人に向いてるのか、ちゃんと見て貰えるし。  いいんじゃねえの?  俺達らしくてさ。  式の後の食事を嫁が作っちゃダメだって話、聞いた事無いだろ?  作る嫁がいなかっただけでさ。  作らせてくれないなら、俺…式に出ないからな?」 「「は……………、はぁ?」」  半ば強引に言い切った瑠維に、忍と玲も口をあんぐりと開けたままだ。 「普通は、花嫁の我が儘を全部叶える日なんじゃねえの?  結婚式ってさ」  ミルクティーを一口飲み、猫と璃音がクスクス笑った。

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