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今になって、璃音を組み敷いて嬲った自分がよく無事で済んだと思う。
玲と忍からキツいお仕置きをされてはいるが、昏睡から醒めた後の璃音と母の格闘を何度か見て、背筋が凍ったのをリアルに思い出した。
本気の殺し合いに見えたのだ。
あれを見たら、百年の恋も冷める。
璃音を伴侶にしている氷室は、なんとも思わないのだろうか。
「ふふ…。
龍嗣は僕の全部を受け入れてくれてるから、大丈夫」
「……………っ」
「肉食獣みたいで面白いって言われたよ。
あ、夫婦喧嘩や何かトラブルがあったら直ぐに言って。
僕が二人を黙らせてあげる」
ニコニコしながら言うが、何だか不穏なものを感じて曖昧に笑う瑠維。
おかしい。
璃音は純粋無垢な子供ではなかったろうか…。
「細かい事にはこだわらないの。
はい、これを被ってね?」
クスクス笑い、璃音が紗の袿をかけてくれた。
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