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「………でも…っ」
「謝るなよ。
元はと言えば、俺が璃音に甘噛みした事から始まってるんだ。
色んな事があって、璃音はエロ魔神の嫁になって、俺はあの二人の嫁になる。
俺達はお互いに伴侶になりえなかったけど、その分あいつらに尽くしてく。
それでいいと思う。
だから、璃音はもう謝るな。
兄ちゃんの命令だからな?」
「久しぶりに聞いた…。
兄ちゃんの命令…って…。
ふふ…っ」
一生懸命笑おうとしてるのに、次々零れるのは涙ばかり。
兄の門出を寿(ことほ)ぎたいのに、言わなければならないのが詫びの言葉しかない。
「瑠維。
これからは、あの二人を全力で愛していって。
僕に向けていた気持ち以上のものを注いでいくんだ。
二人に同じ深さの愛情を向けてくのは、瑠維にしか出来ないことだから。
いっぱい愛して、二人からいっぱい愛して貰って。
心だけじゃなく、魂の底まで満たして満たされる関係を作っていってね。
僕は瑠維に対して出来なかったから、そう願ってる」
はらはら零れる涙は、狩衣に音をたてて落ちる。
瑠維も、璃音も…。
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