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 跪いて待っている二人も、瑠維の足音がおかしいのは気づいていた。  両家と顔合わせをしてはいても、本当に受け入れて貰えるのかと緊張のあまりに固まってしまっているのだろう。  進んでは止まり、止まっては進む瑠維。  視界の端に緋袴が見え、先導する双子が近くまで来ているのだとわかる。  きぬ擦れの音がして、漸く瑠維が二人の傍まで来た。 「お二方、お立ち下さい」  その場にすっくと立ち、体の向きを変え、向かい合わせで瑠維を迎える体勢になった。  おさえめの光沢に仕上げた最上級の絹。  その絹で作った狩衣に太刀という出で立ちの二人の間に、紗を被った瑠維が立つ。  瑠維の緊張を解きほぐすように背中を撫でる二人の光景に、参列者が目を細めた。 「大丈夫。  俺達がついてるから」 「ゆっくり鼻から息を吸って、口から吐いてみ」  二人の囁く声に、煩い位だった動悸がひいていく。  大丈夫、怖くない。  この二人が一緒なら、何一つ怖くなどない…。  少し乱れていた呼吸も楽になり、カクカクしていた手足も余計な力がぬけた。  瑠維が落ち着いてきたのを見計らい、水上本家の当主が口を開く。 「これより、小鳥遊玲殿、弓削忍殿と水上瑠維殿の結婚式を始めさせていただきます」  室内に静寂が満ちた。

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