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初めは璃音の伴侶候補だった二人…。
瑠維は璃音の恋路を阻む邪魔物のように思われていたこともあった。
底が抜けてしまう程に傷付いた心を抱え、焦がれ焦がれて壊れた瑠維は、璃音の体を奪った。
伴侶である龍嗣と深く結び付いていた璃音は自ら自滅の道を選び、自我もろとも死のうとし…。
龍嗣が命をかけて璃音を引き戻した。
一方、
璃音の伴侶候補から降りた玲と忍は、璃音から引きはがすべく、瑠維を嬲り。
二人は、執着が剥がれ落ちた瑠維と相対するにつけ、徐々に情を寄せるようになっていき…。
一人では埋め切れない心を満たすべく、一族でも異例とされる二人同時の求愛をした。
胸が張り裂けてしまいそうなこともあったが、一つ一つ三人で乗り越えてきた。
時間をかけて積み重ねた絆は、確実に深い愛情へと変わっていった。
それがよくわかる式だったからこそ、昨年の龍嗣と璃音の式のように幸せな気持ちになったし、温かな思いになれた良い式だと、皆が微笑んだ。
「では、小鳥遊玲と弓削忍を水上瑠維の伴侶として認め、水上の籍に入るものといたします。
身も心も深く愛し合い、永久の伴侶となれるよう願っていますよ」
…と、水上の当主が三人をにこやかに寿いでくれ…。
滞りなく進み、玲と忍、瑠維の結婚式は終わった………。
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