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 招待客全てをチェックして作った料理は、健康状態やアレルギーに至るまで事細かに配慮されたものだった。  アレルギー食材を除去しているのに全く変わらない盛り付けで、血圧が気になる招待客にも見た目と味ともに好評なのだ。 「凄いな、全部に玲の好物が入ってる」 「忍の好物も…。  しかも、どれも彩りが良くて美味しいわ…」  テーブルを回る度に、優しい言葉がかけられる。  瑠維は照れ臭そうに微笑み、感謝の言葉を返した。  忍と玲の親族の顔からは、不安が少しずつ消えていっている。  それが瑠維にとって、とても嬉しかった。 「瑠維さん。  うちの次男坊は少々乱暴だけど、根は優しいから安心してね。  ちゃんと尻に敷いてやってちょうだい」 「瑠維さん。  うちの息子はあの通りカチコチだけど、貴方と一緒の時はとても安らぐみたい。  末永くよろしくね」  玲と忍の母達も好意的な言葉をかけてくれて、胸が熱くなった瑠維なのだった。

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