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メインの料理も好評を得、デザートの皿を出す順になった。
綺麗に並べられた皿と大きな白いケーキが、ワゴンに乗せられて高砂の席近くに来た。
「では、これよりケーキ入刀となります」
司会を務める総一郎が、すかさずアナウンスをした。
玲と忍が進み出て、瑠維を挟んで手を重ねる。
「皆様、絶好のシャッターチャンスをお見逃しのないように。
では、三、二、一!!」
ゆっくりとケーキにナイフが入って行き、小さく切り分けたケーキを掬い取った瑠維は、ニコニコしながら二人の口へと持っていく。
「このケーキも、新婦が心を篭めて作ったものです。
新郎たちのニヤケっぷりも、お見逃しなく!!」
照れながらケーキを頬張る玲と忍の顔は、親族も初めて見たのだろう。
瑠維が差し出した瞬間、弓削・小鳥遊両家側からはどよめきの声が上がった程だ。
「あ~あ、仕方ないなぁ…」
クスクス笑いながら、二人の口の端についたクリームを指で拭い、自然な流れで舐め取った瑠維の仕種に、一層のどよめきが上がった。
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