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「三種類のベリーで作ったケーキは、俺達の今まで積み重ねて来た時間と、これからの毎日を表現しました。  白いウエディングケーキは、雪や星が降り注ぐように、この場に立ち会って下さった皆様に幸せが降り注ぐことを願って作ってみたんです。  それと、アイスやフルーツは、お義父さんやお義母さん方がお好きだと伺ったものを盛り込んでみました。  どうぞ、お召し上がり下さい」  ひと口含むと、豊潤な香りと甘さがすぅっと広がった。 「美味しいわ、瑠維さん。  こんなに美味しい料理は初めて」 「本当に…。こんなに心の篭った料理を毎日食べさせてもらえるなんて、息子に嫉妬してしまいそう」 「いつでもいらして下さい。  俺の…、俺の料理でよろしければ、いつでもお作りいたします。  お義父さん方にも、お義母さん方にも、喜んで頂きたいし、安心して頂きたいって思ってますから…」 「「瑠維さん…」」  はにかみながらも、一生懸命話す瑠維に、皆は好印象を持ったようだ。  荊櫻と璃音が睨みを利かせる必要もなく、概ね平和な方向で纏まり…。  気持ちの篭った一番良い式だったと、後々まで語られる結婚式になった。

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