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「璃音さま…?」
訝しむ忍の唇に、璃音は人差し指を当てる。
「何回も言ってるでしょう?
僕の事を様付けで呼ぶのはやめてって。
考えてみてよ。
僕は瑠維の弟だよ?
その瑠維の伴侶ってことは、二人とも僕の義兄ってことになるんだから…」
「あ…」
ハッとする忍に、璃音は笑ってみせる。
「だから僕は、これから二人の事を"お義兄さん"って呼ぶね?
あ…………、ってことは、僕の旦那様が龍嗣だから、龍嗣も二人の事を"お義兄さん"って呼ぶのかなぁ?」
「………………はぁっ!?」
「や、やめて下さい!!
考えたくもないっ!!」
「そりゃご挨拶だな」
「「うわわわわわっ!!」」
いつの間にか後ろに立っていた龍嗣に、二人が驚いて飛びすさる。
「だっ、旦那様、いつの間に!?」
「翡翠達が寝てしまったから、水上の家に届けて来たんだ。
晶も荊櫻もアルコールが入っていたからね。
立場の弱い婿は、かいがいしく運転手という訳だ」
悪戯っぽく笑い、璃音の肩を抱く。
年の差はあるが、互いに想い合う、微笑ましい二人だ。
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