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Fleur de Fleurs
長く感じた一日…。
家に着いた頃には、日付が変わろうとしていた。
荷物を整理したり洗濯機を回したいと言い出した瑠維。
仕方なく忍と玲が順に風呂に入り。
荷物の整理を終えた瑠維が漸く戻ってきて、寝室の隣に設えたバスルームに向かった。
何となく落ち着かない二人は、手持ち無沙汰な状態で瑠維を待つ。
何の気無しに左手に嵌められた指輪を外し、忍は瑠維がオーダーした内側の刻印を見た。
“Shinobu×Rui“
「………………………」
日付と名前の刻印をオーダーしたのは知っていた。
が、
もう一つの刻印があったのだ。
“Dearest”
“Dearest”………“最愛の人”と彫っていたとは…。
色々悩みに悩んで入れたのだと知っているから、その時の瑠維の気持ちや表情が目に浮かぶ。
最終的には、シンプルに一つの単語で表してしまうあたりは、瑠維らしい。
玲も指輪の内側を見て「瑠維らしいな」と、擽ったそうな顔になった。
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