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 ビリッと、衣服を引き裂く音がする  全身に毛皮を持たないオレ達にとっては服は必需品で、しかも飼い主を持たないオレ達には貴重な物だった  それを破られる音に、目眩がする  ましてや、その服を破った男達の目的を考えると、腸が煮えくり返る思いがした  バシン…  暗闇に頬を打つ音が響く  二人の男に押さえつけられたアイツは、血の滲んだ唇をぎゅっと引き結んでじっとしている 「ホントにあんなとこにいたんだな」 「もう一匹いたと思ったんだけどな…あ、コイツ、オスかよ」 「いいじゃん、気にすんなよ。『亜種』なんだから、ナニやったっていいんだぜ?絶対人間の女より楽しめるって!!」  好き勝手な事を言う奴等に…腹が立つ  けれど『亜種』に人権は存在しない  『亜種』は人間ではないから…  飼われているならまだしも、野良をどう扱っても、文句を言う奴なんかはいない  滲み出した涙が落ちる事は無いが反射的に擦り上げる  『亜種』は涙を溢せる程涙腺が発達していない  泣きたくても、泣く事も出来ない  服をむしり取られ、押さえつけられたアイツが、体をくねらせて抵抗する  自分とは正反対の、真っ白な毛皮のアイツは闇の中で妖艶に踊って見えた  その体を、人間の男達がまさぐる 「─ぅ───!─っ」  乱暴に乳首をつまみ上げ、性急に性器をしごかれる痛みに掠れた悲鳴が上がる 「ここは人間とかわんねぇな」 「ソコより穴確かめろよ」 「あ、そか」  うつ伏せにされ、腰を高く抱え上げられた格好にされ、いやいやと首を振った

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