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「彼女の凶行の裏に何があったかは、本人からの説明の方がよさそうだ」
「な、何を…」
「消してしまえばばれないと、貴方方がメールでやり取りしていた妻の殺害計画」
「なんの…こと……」
「私が送ったメールは一体どこに届いたのだろうね」
ひゅうっと彼の喉から息が零れる。
夫人が取り出した携帯電話を、刑事さんに手渡すのが見えた。
「すべて残してあります」
「君達の計画はすべてターゲットである彼女を介してやり取りされていた」
こつん とステッキが鳴る。
「馬鹿馬鹿しい」
「きょ…京極さんっ」
「富阪君。帰る、支度したまえ」
興ざめた要さんの歩みは何を言っても止まらない。
オレはいきなり放り出されておろおろとしている刑事さんにぺこぺこと頭を下げてから、歩き去る要さんの後を追いかけるしかない。
「結局は痴情のもつれじゃないか」
下らない と続く言葉に苦笑を返すしかない。
事件発生当時にきらりと瞳に宿った光は鳴りを潜めてしまっている。
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