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 要さんの部屋には、チェストの上に一枚だけ写真が飾られている。  若い頃の、びっくりするくらい美人な要さんと、大きな体を屈めて要さんと頭の高さを合わせている男の写真だ。 「やはり左なのかね」 「はい」  クイーンサイズのベッドの上に、クッションを背に裸体で寛ぐ要さんの足元に陣取る。  やれやれと言う溜め息を吐くが、要さんはオレを止めようとはしない。 「こっちが触りたいです」  大きな傷のある左足に触れるのを、彼が快く思っていないことを知っている。 「奇特なことだ」  年の割に染み一つない足に手を這わす。  盛り上がった引き攣れは彼の唯一の欠点のようで…  妙に愛おしく思えるのだ。

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