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次に目が覚めた時は病院で…
「このバカ!待ってろって言っただろうが!!」
探し当ててくれた友人が、第一声でそうオレを怒った。
「え…」
「急いでタクシー掴まえてくるから、動かずに待ってろって!」
鬼の形相に涙を浮かべて涙声で言う友人の言葉が…どうだったかと思い出すも、酩酊していた頭では定かではない。
…が、そう言ったら確実にもっと酷い怒り方をされるのは目に見えている。
お前に見捨てられたと思って絶望した…なんてことは言わない方が身のためだろう。
「えっと…ごめん、なんか吐きたくなってさ、トイレ探してたんだ」
「お前が見つからなくて、俺がどれだけ心配したと思ってるんだ!」
きつく握られた手が、言葉以上に友人の心を映し出す。
どうやら雪の中で眠りこけていたオレは凍死寸前だったそうで…
助かったのは銅像の懐に入っていたらしい。
銅像の外套が多少なりとも風雪を避けてくれていたらしく、最悪な事態を招かずに済ませてくれたのだそうだ。
「……死のうとか、思ってたわけじゃないだろうな」
違うと言って笑って見せたが、ほんの一瞬出来た空白を見逃すような友人でないことはオレが一番知っている。
オレの事を、よく見てくれているって分かっている。
沈黙は更に肯定を強めるようでいたたまれずに会話を探したけれど、何も浮かばずに口をパクパクさせるしかできない。
「お前があそこに居て助かったのも縁かな。まぁ…お説教は退院してからだな」
項垂れているオレの頭をぽんぽんと叩いて立ち上がる友人を追うように視線を動かすと、オレをまっすぐ見る柔らかな目とぶつかった。
「もう、心配させないでくれよ」
最後にくしゃっと頭を撫ぜて帰って行く友人を呼びとめたくて、けれどかける言葉が見つからなくて…
伸ばした手が、空を切る。
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