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歪な包みを持ち上げる。
「………」
「………」
互いの沈黙が痛かった。
いや、一番痛いのは…
「……で?」
「手作り弁当」
「………」
仕方なく、その不器用に包まれた包みを開ける。
中から転がり出しそうになったご飯を咄嗟に拾った。
…が、指の間でぼろりと崩れる。
「………」
「………」
腰を下ろし、目の前に包みを置いて覚悟を決めて開いてみた。
多分、かつては形を取っていたのだろうと思われるご飯の山と、味付けではなく手巻き用の海苔があぶられもせずに一緒に包装紙に包まれていた。
「………」
「………」
「…せめてラップに包めよ」
「あ」
そう間抜けな声を出す汰紀にはぁと息を吐いてご飯の山を掬った。
両手でぎゅっと適度に圧力をかけてやると綺麗な三角が出来る。
具はない、塩が振られているかまでは分からないが、この出来ならかけてないかしょっぱすぎるかのどちらかだろう。
海苔を巻いて突っ立ったままの汰紀に差し出す。
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