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「あぅっ!」
すべてを持って行かれそうなきゅきゅうとした締め付けが、オレの精液を寄越せと絞り上げてくる。
「き…つっ」
「ぁ…ぁ、んっ……んっ!」
ぶるりと一宏の体が震え、舌が何かを求めるように唇を舐め、その合間に掠れる喘ぎが零れた。
オレの律動に合わせて腰を揺らし、時折はっと自分の上げた喘ぎに我に返っては手で口を押えて堪えようとする。
「かわ…いい……っ」
ぐちぐちと小刻みに腰を動かすと、「ひぃ…」と繰り返し悲鳴のような声が上がり、震えた牡芯からたらりと白濁の液が流れ出す。
「は、は…ぁ、ぅ……あ……ぁん…」
ひくり…ひくり…と綺麗に浮き上がった一宏の腹筋が震える度に、オレのモノの根元がきゅっと絞られる。
「くっ……出すぞっ」
痙攣のように震える一宏のアナにぐいぐいっと押し付け、トロリととろけた顔で腰を揺らして余韻を味わうその奥に白濁の液を吐き出した。
二度目を終え、さすがに二人共に頭が冴えてきたのか、引っ付いて転んでいてもそう言った雰囲気にはならない。
代わりに頭をもたげるのは…
「なぁ………次は…」
その言葉に、先ほど言いかけた言葉がそれなのだと知る。
「いや、別に…お前に会いたい訳じゃないんだけどさ……お前が寂しがるといけないし……や、俺はいいんだけどさ……」
もごもごもごと、往生際悪く言い訳を並べている。
「次、いつになんのかなって…」
携帯電話でも持っていれば違うのだろうが、父の方針で残念な事にオレは持っていなかった。
パソコンもあるにはあったが家族共用の為に使いたくはない。
初心に帰って文通と言う手もあるが…一宏はそう言った事を好まないだろう。
「寂しいとかじゃないからな!」
顔を真っ赤にして一人混乱している一宏を撫でながら、どうしたものかとふうと息を吐いた。
「な、な、なんだよ!?今鬱陶しいとか思ったか!?違うぞ!別にお前なんかっ…お前なんか………」
「ちょっと落ち着け」
「落ち着いてるっ」
がばっと体を起こして反論をしようとした一宏を見上げる。
「…落ち着いてるから……次のこと、考えるんだろ」
泣きそうなその表情に、仕方がないなぁと体を起こした。
「一つ、考えてた案があるけど?」
「へ?」
捨てられた子犬のような目が薄暗い中にきらりと光った。
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