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 共に職を担うようになり、苦しい時も二人で知恵を出し合い、助け合いながらこなしてきていた。  いつも笑顔の『小竹祝』  傍らにいてくれるだけで心が明るくなった。  彼が微笑んでくれるだけで、幸せになれた。  微かに触れ合う体温に、胸がときめいた。  その気持ちが恋だと気付くのに時間はかからず…、オレはその微笑みを向ける『小竹祝』をそう言う対象として見るようになってしまっていた。  神官職とは言え、男女の色恋沙汰を知らないわけではない。  いや、正確には、その感情を同性に向けてはいけない事を知っていた。  禁忌だと、  ………オレは、知っていたんだ。 「桜、今年も見事だね!」  儚く舞い散るその花びらの中を、『小竹祝』は駆けて行く。  裾に泥が跳ねるからと、散々上職のじい様に小言を言われていたのに、まったく堪えてないのも彼らしかった。 「止まれ!転ぶぞ?」  そう声を掛けると、『小竹祝』はくるりとこちらを振り返りながらしゃがみ込んでしまった。 「?」  地面に蹲る『小竹祝』が胸を押さえているように見えて駆け寄る。 「どうした?」 「走りすぎて、胸が苦しくなっちゃって」  笑う彼の顔色が青白く思えた。  桜の花のように華やかに笑う彼が、倒れたのはそれからすぐのことで…  今なら分かる。  もしかしたら、心臓が悪かったんじゃなかろうか…と。  けれどあんな昔のことだ、病気は悪霊が起こすものと考えてられていた時代に『小竹祝』の延命など望むべくもなく…  部屋で蹲る『小竹祝』に駆け寄った時にはもう虫の息だった。  蒼白と言う言葉がそのままぴたりとあてはまる顔色で、荒い息を吐きながら彼はオレの腕の中で息絶えた。  抱き締めた体の重みも、引っ掻かれた腕の痛みも覚えている。  人工呼吸など知らなかった。  心臓マッサージなど、できるはずもない。  腕の中で苦しみながら悶え息絶える彼を抱き締め、なす術なくただひたすらに神へ祈りを捧げていた。  居もしない神に、オレは祈っていたんだ…

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