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高校卒業までは…我慢した。
やっぱり、なんと言っても岡田は学生だったし、理由を聞かれたら倫理的に…としか言いようがないのだけれど…
だから岡田が卒業した今日、やっと初エッチにこぎつけた。
「はぁ~。魔法使いにならずに済んだよ」
「は?」
「あ。なんでもない」
オレの部屋で、向かい合って正座する。
ぽたぽたとお互い髪から雫が垂れているのはシャワーを浴び終わったからで…
心臓がばくばく言ってて…またオレの心臓ヤバい事にならないかと、頭の隅でハラハラしながら岡田にキスをした。
青春真っ盛りの岡田の為に、キスや手コキはした事があったけれど…
いざとなると…ダメだ。
手が震えるっ!!
「ん…」
ちゅ…ちゅ…と繰り返されるキスに、じんわりと体が熱くなっていく。
差し込まれた舌の甘さに蕩けそうになり、岡田のなすがままに押し倒された。
ん?
押し…
「ちょ―――――っと待った!」
え!?
何!?
…もしかして…オレが入れられる方なの!?
「…んだよ……やっぱり駄目とか…?」
いやっ!
ちがっ!
……
え――――?
入れる方でしかイメトレしてないよ!?
「緊張してる?」
青い顔でもしてたんだろうか…
頬を岡田が包み込み、こつんと額をつけてくる。
「緊張って言うか…」
「うん?」
「心構えが…」
「ゆっくりする」
「いや…でも…」
「長い間待ったんだ。大丈夫。少しずつ、怖くないように…な?」
「うん」
なんだろう…この流れ………
オレの魔法使いが決定した気がする……
END.
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