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 ぎ…ぎ…と岡田の挿入に合わせてベッドのスプリングが軋む。 「あ…ぁっ!も……ああああっ」  ごりごりと突かれた奥から駆け上がってくる快感に、息も忘れて全身に力を入れる。  腰にわだかまっていた熱がソレに押されるように出口を求めて走り出して… 「イ、ク―――っっ!!!!」  全力疾走した後のような激しい動悸と呼吸にぐったりとベッドに沈み込むも、岡田の手はさわさわとオレの胸を触ってくる。 「ちょ…も……ムリ…」 「後、一回だけ…な?」  ちゅっとキスされれば流されてしまうんだけど…  さすがに大学生の体力と一緒ってわけにはいかなくて、元気な岡田に比べてオレは毎回毎回限界ギリギリだった。 「健康診断?」 「うん、だから今日遅くなるよ」 「じゃあ、俺が晩御飯作って……」 「それだけは止めてっ健康診断で引っ掛からなくても病院送りになっちゃうだろ!」 「そんなに俺の作るもんって酷いか!?」 「うん!」  そんなふうに、軽口を叩いてその日も出かけた。  いつもと変わらない朝に、いつもと変わらない日常に…  多分オレは、そう言った日々がずっと続くんだと思っていたんだ…  アパートに帰ると、出迎えた岡田が狼狽えるくらいオレの顔色は悪かったらしい。 「ど…した…?」 「…………」  覗き込まれたその顔が、涙で歪んで溶けて行く… 「ま…さは……っど、どうし…ょ………」  悪寒が止まらない。  足元が崩れ落ちるような錯覚に思わず岡田に縋り付いた。  確かに握り返してくれるこの温もりを…オレはまた、再び手放さなければならないのかもしれない。  聴診器を持った医者が、怪訝な顔をした。  垂れ目を難しそうに眇めてから、  ――――再検査をお勧めします  そう切り出した。  胸の苦しさを覚えている。  あの瞬間の絶望を…  オレはまだ、覚えている。 「明日、再検査に行ってくる」 「俺も行く!」 「っ…うぅん。大学があるだろ?大丈夫」 「どうとでもなるから」  俺が傍に居たいんだ…と、そう言ってオレを抱き締めた岡田の体は震えていた。  自分の事じゃないのに、真っ青になって抱き締める岡田に縋り付き、その肩に涙を擦りつける。  もし、心臓の事で何かを言われたら…  もし、命の期限を切られたら…  再び、岡田と離れ離れになるのだと宣言されたら…  オレはその瞬間、狂うかもしれない。

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