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 裸に剥かれて後ろ手に縛られ、鎖で繋がれた男は屈辱とまだ体に残る痺れに細かく震えていた。 「おい。お前の名前は?」  椅子に足を組み、ピンクのローターを弄って遊ぶ彼に問いかけられたが、男はぷいっと顔を背けて拒否を示す。 「…ふぅん」  ゴッ…と、彼の足が振り下ろされて男の腹部を抉る。 「ぃぐ…っ…」 「まぁいいや。ええっと…加藤……きー?」  机の上に置かれていたDMに目を落とし、男の名前を読み取る。 「…っ……紀洋(のりひろ)だ」  腹部の鈍痛に顔をしかめながら紀洋が小さく言うと、彼は不愉快そうに眉を上げてもう一度足を振り下ろした。 「あぅっ!!」 「無駄吠えすんな。オレは『いい』って言っただろ?」 「ぅ……」  腹部を庇うようにして踞る紀洋の背中に足を乗せる。 「お前、今日からオレの犬ね」 「っなんで…っ俺がっあぁっ!」  踵で踏みにじられた背骨の痛みに悲鳴を上げると、彼は微笑む。 「返事は?」 「…ぃや……ぅっ」  踵に力が込められる。 「…わか……わかった…くっ!!わかりましたっ!」 「でかい声出すな。うるせぇだろ」  整った唇からそう言葉を吐き出すと、彼は首輪の鎖を掴んでベッドへと紀洋を突き飛ばした。  後ろからのし掛かり、紀洋の尻を鷲掴む。 「ぃ…っ…」 「ほら、もっと足開け、ご主人サマが検品してやる」 「?けんぴ…っ!!」  荒々しく布団に顔を押し付けられ、息がうまくできずに喘ぐ。 「ぅ゙…う……」 「うるさい」  紀洋の呼吸が浅くなり、抵抗が弱々しくなると、やっと押さえつけていた手を離す。  その指が、固くすぼまったままの菊門へと一気に突っ込まれる。 「ぃっ…あああぁっ!!や…やめっ……抜い…っぃ…っ」 「かてぇな…」  不機嫌そうに言うと、紀洋の中に入れた指を乱暴に動かす。  ぐっ…ぐっ…と好き勝手に中を探る。 「ひぃっ…いっ……やっ…止めろっ離せっ!!」  中を掻き乱される痛みに身を捩ろうとすると、再び後頭部を押さえ付けられて布団に沈む。  ぐりぐりと力任せに動かしていた指を止めると、彼は小さく舌打ちした。 「面倒くせぇな」 「…ぬ…抜いて…っ」 「抜いて欲しいならそれなりの頼み方ってもんがあるの、分かるだろ?」  突き立てた指でわざと荒々しく内壁を擦り上げ、痛みに涙を滲ませた紀洋の耳元で囁く。  掠れた声が、「ん?」と言葉を促す。 「…ぅ……っ…ぉ…抜いて、くださ…ぅ…!!」  中に突き立てた指が前立腺を掠める。 「あぅっ!!」 「もっと丁寧に、言えるよな?」  屈辱感に奥歯を噛み締め、布団と彼の間で紀洋は弱々しく口を開いた。 「お…お願い…し、ます…」  ギリギリと奥歯が音を立てる。 「…い…卑しい犬の穴から…指を……、抜いて下さい…お願いっ…します…っ」 「最初からそう言え、駄犬!」  そう言うと、彼は紀洋の前立腺を執拗に責め始めた。

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