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ゆっくりランチにしようかと、瑠維が勤務している店に寄った。
落ち着いた内装とBGM。
瑠維が手がけたレシピをもとに作られた極上の料理。
一点の曇りもない位に磨き抜かれたカトラリー…。
その総てに瑠維の心が篭められているようで、擽ったい気持ちになる。
「旨い………、だが…」
「……ん…………?」
「お前が作った料理には敵わないな」
「……………………………っ」
クスクスと笑って言い放った忍に、瑠維が固まった。
「たまには休ませようと思ったんだが、結局お前の料理じゃなきゃ満足出来ないんだからな…。
俺の口は、とことん我が儘になってしまったらしい」
「……あ、あぅ…………」
「だが。
伴侶に囚われるのが俺の悦びだ。
俺に定められたものなのだろう。
これもまた、悪くない」
笑みを浮かべ、忍が呟く。
それは、普段とは全く違う、瑠維を抱くときの妖艶さを覗かせた顔…。
「そうだな。
今夜は、お前の料理とお前自身を存分に味わってしまおうか」
ズクリと瑠維の体の芯を疼かせ、眠っていた埋み火を呼び起こすように、忍はうっそりと笑った。
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