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「どんな瑠維でも、俺にとっては一番大事で愛おしい存在だ。  愛してるよ」  …チュ。 「…………っく…」  しなやかな腕に抱き込まれ、額やこめかみに口づけが降り注ぐ。  優しくて…。  せつないくらいに甘い。  チュ。 「…………んっ」  チュ。 「…………ぁ…っ」  どこまでも甘い口づけ…。  風呂上がりに引いた汗とともに冷めた筈の体内の火は、再びうねりをともなって、灼熱の焔(ほむら)と化していく。  チュ。  唇が重なり、軽い啄みから角度が深くなる。  自然に触れた舌先が体の芯を痺れさせ、瑠維の足はカクリと力を失った。 『ダメ…。  まだ、忍にプレゼントも渡してないのに…、俺、もう…』  しなければいけないことがあるのに、深く契られた唇も、甘く蕩ける舌も離れたくない。 『……忍…』  脱衣所の壁に背中を押し付けられて、魂まで搦め捕るような口づけをされる。  視界が光に侵食され、フワリと浮き上がる感覚が襲う。 『…好き…だ…よ…』  重ねたのは唇だけの筈なのに、瑠維は上り詰めて意識を手放した。

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