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「結婚式を企画してた時にお前を蔑ろにしてしまったろう?
あの時に、俺も玲も思ったんだ。
瑠維が向けてくれる愛情は永遠に不変のものだ。
だが、それに胡座をかいてしまってはいけないと」
「………へ?」
ガバッと起き上がった瑠維に、忍はしなやかな腕を伸ばす。
「自分が忙しい時には、もう一人の伴侶が瑠維と肌を合わせてる筈だ。
だから大丈夫だなんて思ったり、お前を愛する事を人任せにしていては駄目なんだ。
愛されることは当然と思わず、愛された以上の情をかけなきゃ駄目なんだ、とな。
釣った魚に餌はやらないなんて、そんないい加減な亭主にはなりたくない。
生涯かけて篭絡する位の気持ちでいようと」
「…………忍…」
「こんなふうに思えたのは、瑠維が俺達を深く愛してくれたからだ。
今だけじゃない。
次に生まれる時も、その次にも、魂が砕けてしまうまでずっと愛していきたいって思ってる」
「………っ!!」
これ以上ない位の殺し文句もないだろう。
瑠維はベッドの上で硬直するしかなかった。
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