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 ビクビクと震える瑠維に口づけを落とし、少し呼吸が落ち着くのを待つ。  襞の一つ一つが雄刀を包み込み、忍を誘うように時折締め付ける。  揺すりも突き上げもしていないというのに、呼吸が戻っても胎内は蕩けて絡みついてくるのは変わらない。 「……ん、んんんっ、……や…っ、…………ぁ……ふ…っ」  快楽が深すぎて体のコントロールが利かないのだろう…。  自然に腰が揺れ、ほんの少しの刺激にすらも敏感に反応するくらいだ。  極上の花筒の中で射精感を堪え続けるにも限界がある。  理性の箍が外れ、快楽を素直に追う瑠維を更に追い上げるべく、悦ぶ場所を穿つ。 「ああ…ッ!!」  責め立てられた弾みで、シーツを握っていた手が外れた。  その行き場のない手に力強く手を重ね、忍は指をきつく絡める。  ベッドに両手を縫い止めるように押さえられ、抽挿とともに注ぎ込まれる情愛が、瑠維を更に狂わせていく。 「ふ………、ああっ、…………やっ、あっ…………あっ」  熱い楔に貫かれて、果てのない奔流へと堕ちていく悦び。  甘く蕩ける鞘に包まれ、果てのない高みへ誘(いざな)われる悦び。  深淵へ堕ちる感覚を覚えながら、言いようのない高揚にも襲われて、二人は上り詰めていく…。 「ぁあ……ッ、………………!!」 「……………は……、……っ!!」  ビクビクと体を震わせ、忍は瑠維の中に灼熱の蜜を。  ふるふると体を強張らせ、瑠維は忍の掌や胸元へと甘美な蜜を迸らせた。

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