65 / 262
・
瑠維が膨らました頬をふにふにと指で押しながら、玲はフワリと笑う。
「なぁに拗ねてんだ?
可愛くなるだけだぜ」
「かっ、可愛くなんか…っ、………ん…っ」
モゴモゴ呟いていると、唇を塞がれてしまった。
ハミハミと唇を啄まれていると、なんとなくモヤモヤしていたものが霧散していく。
「ん………、ん……っ」
啄みは少しずつ深くなっていき、歯列を割って舌が滑り込む。
戸惑う舌先を誘うように掠めたり、感じやすい上あごをなぞる。
そうして玲の口づけは、いつも瑠維の理性をグズグズに溶かしていくのだ。
チュ、チュ……ッ、チュ…。
「ん…………、ん…っ、ん…っ」
鼻に抜けるあえかな声が玲の悪戯心を煽り、瑠維の弱い場所を舌が掠めていく。
「ん………っ、…ふ…ぁん…っ、んん…っ、ん…っ、………っは…、…んん………っ、……んぁ…」
ほろと涙を零して唇を嬲られていると、何となく違和感を感じた。
「………………?」
口づけを受けたままで視線を移して行くと、自分の真横に人影がある。
「ん…?
んう――――――――ッ!?」
朧げな視界の中に佇みにこやかに手を振っていたのは、玲の母だった。
ともだちにシェアしよう!