68 / 262

「あ、あの…お義母さん…?」 「ああもう…っ。  瑠維さんたら、可愛すぎよっ」 「え、ええっ!?」  怖ず怖ずしている瑠維に、玲の母は相好を崩して抱きついた。  二人伴侶になってしまった事や荊櫻の息子だという事で、自分達に引け目を感じている瑠維…。  そんなふうに遠慮がちな上に、玲に対してかいがいしく尽くしてもいる。  情が湧かないはずがないのだ。 「もーっ、そんなに気を遣わなくていいのよ、瑠維さんっ。  玲が素っ気ない分、瑠維さんが可愛くて仕方なくなってるんだもの!!  荊櫻の息子とは思えないくらいに奥床しいし、このかいがいしさもたまらないわぁ…っ」 「ひああああっ!!」  頬をスリスリされて、何をどうしたらいいのかわからない。 「コラ、いい歳して萌え転がってんじゃねえよ。  こいつは俺の嫁だっ!!  いい加減離せっ」  ぎゅうぎゅう抱きついている母の腕の中から引っこ抜き、玲は瑠維を肩の上に担ぎあげた。  条件反射でキュウッと瑠維が抱きついた感触に、玲が内心ガッツポーズをしていたのは言うまでもない。

ともだちにシェアしよう!