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ダスダスと足音を立て、離れに向かう玲。
体勢を変えて横抱きにした瑠維は、コロコロと咽を鳴らして玲に擦り寄ってくる。
「らんで?(なんで?)
まだはやいろに、おやしゅみなしゃ…?(まだ早いのに、おやすみなさいすんの?)」
「あー………。
お前が萌えネコに…、いや、なんでもねー…」
背中をトントンと軽く叩くと、首筋に擦り寄る瑠維ははふぅと息をつく。
「もうとっと、はにゃしたかったろいぃ…。(もうちょっと、話したかったのに…。)」
「仕方ねえだろ?
お前、酔っ払うとエロい猫になっちまうんだから」
「よってらい!!(酔ってない)
れこやにゃい!!(ネコじゃない)」
「あー。うん。
そうだな、うん」
「にゃんできーてにゃの…。(なんで聞いてねえの)
れぃのいりわゆぅ(玲の意地悪)」
ますます怪しくなる呂律に、玲はかなり焦っている。
それを知ってか知らずか、瑠維は頬を膨らませて拗ねたり、玲にキュウッと抱きついたりするのだ。
「ゔ…、悪かった、俺が悪かったっ。
だから、フェロモン垂れ流しにすんのやめろ。 な?」
「ん………」
髪をやわやわと撫でていると、漸く瑠維はジタバタするのをやめた。
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