76 / 262
・
離れの部屋に着き、ドアにはキッチリ鍵をかけた。
念のために続き間の寝室へ入り、このドアにも鍵をかける。
これで多分瑠維の声は母屋に届かない。
聞き耳を立てることもできはしない筈だ。
「ふぅ………」
慌てて離れに来たのには訳がある。
酔っ払った瑠維は木天蓼に酔ったネコのようになり、玲や忍に擦り寄る。
それも、体を繋いでいる時のような色香を振り撒いて…。
「はふぅ…。 れい………、しゅきぃ………」
理性が飛んでいるから、甘い肌の香りも倍増しで…。
凶悪な萌えネコそのものだ…。
横抱きにしたままベッドに座ると、キュウッとしがみついてくる。
「そんなに俺の事が好きか?」
「……………ん…」
熱を持ちはじめた体は、玲の熱を待ち侘びて疼きを訴えているのだろう。
「しゅき………、れい…、しゅきぃ………」
いつもよりも甘い香りを放ち、玲を誘ってやまない。
理性を脱ぎ去り、伴侶を悦ばせる為の可憐な花となるために…。
ともだちにシェアしよう!